3つのドア(モンティ・ホール問題)
2012/01/25(水)
これまでこのブログで何度もご紹介してきた中学1年生の『数の科学』。
今回が今年度最終回となります。
テーマは「3つのドア」。“確率の問題で実験をしてみよう” がキーワードです。
これまでの数の科学はHRクラスごとでの実施ですが,
本日は学年合同で100人の生徒が一斉にホールに集結。
時間も2時間続きでボリュームがたっぷりあります。
さて,テーマである確率ですが,実は2年生の学習分野です。
そこで最初に“確率の基礎”を体験します。
2枚のトランプを見せ(ダイヤのKとジョーカー),
ジョーカーを選べば当たりとします。
1枚選んでそれが当たる確率は?・・・「1/2(50%)」
これは,確率を学習していなくても全ての生徒が分かっていました。

それでは,このゲームを10回行えば計算上は5回当たるはず。
でも実際にやってみると,必ずしも5回とは限らないと言うことも
経験的に理解しています。
そこで,全員が10回このゲームを
行って当たった回数を集計してみました。
中には1回も当たらなかった生徒もいましたが,
やはり5~6回当たりの生徒が多数を占め,
率にして59.8%の正解率となりました。
若干50%を上回ったので,翠陵生は運や勘が良かった,
あるいは負けず嫌いだ言うことでしょうか。
このようにサンプル数が多くなれば実験値が理論値に近づく
「大数の法則」を理解したところで,いよいよ本題です。
確率の難問として有名な「モンティ・ホール問題」を取り上げました。
ルールは以下の通りです。
3つのドアから解答者が1つ選びます。このドアは1つが当たり,2つははずれです。
司会者(当たりを知っている)は,解答者が選んでいない2つのドアの中から
はずれであるドアを1つだけ見せてあげます。
そして,「残っているもう1つのドアに解答を変更したければ良いですよ」と言います。
このとき解答者はドアを変更した方が有利なのか,不利なのか,あるいは変わらないのか。
まずは前で実演をしてルールを全員で理解します。

そして,全員の予想を確かめると・・・
「変更した方が有利」と思った生徒が1割,「不利」が4割,「変わらない」が5割となりました。

この問題,当たる確率を計算で求めると非常に厄介で高校生でも難しい内容です。
今回は計算ではなく“実験” することが目的。
実際に全員がペアを作り,トランプ3枚を使って,
途中で「司会者」と「解答者」,「変更する」と「変更しない」を入れかえながら
全部で各ペア24回試してみました。

その結果を模造紙にシールを貼って集計しました。
「変更する」で当たった回数だけ赤いシールを
「変更しない」で当たった回数だけ青いシールを各ペアがそれぞれ貼りにいきます。
赤と青で実験回数は同じなので,シールの枚数が多い方が有利と結論づけましょう。

結果は・・・赤が373枚,青が256枚となりました。
明らかに赤(変更する)が有利ということで,最初の直感と異なる結果が現れました。
予想と異なる結果に生徒たちは,目を輝かせながら「なんでだろう」と考えていました。
(ちなみに理論上は赤が青の2倍となります)
<生徒の感想>
「最終回の『数の科学』は全クラス合同だったので,とても楽しかったです。ペアで協力して作業を行う時も楽しくやれたのでよかったです。『モンティ・ホール問題』は,実験結果が自分が思っていたのと違ったので,おどろきました。」
「今回の数の科学は一番難しかったです。考えることは最初は分かっていましたが,だんだんと難しくなりこんがらがってしまいました。そして,予測からの結果,びっくりしました。」
「中3の数の科学は難しくなってるかもしれないけど,もっと楽しくなってるといいなぁ・・・と思います。」
(この学年は,中学3年生で再び数の科学を実践する予定です)
「いつもの数の科学と違って実験が入っていたので楽しかったです。だんだんとやっているうちに『あっ,こっちの方がいいじゃん』って考えながらできたので,とても分かりやすかったです。」
「変更した方が有利だったので,『何で?』って疑問でいっぱいです!!家で調べてみようと思います。」
「これが分かったのは最後の『司会者』だった時に気がつきました。プレイヤーだった時は全く分からなかったけど司会者になってようやく分かりました。分かるととても楽しくできました。私の中では1番面白かったと思います。」
「改めて数学でなんでも出来ると思った。すごいと思う!」

